
■「グ〜」で大ブレイク エド・はるみ
役者と乞食は一度やったら辞められないという言葉がある。
・・・長島一茂がある本で語っていた。
「野球選手ではダメだったが、芸能人として成功できた。しかし、観客5万人の球場でホームランを打ったときの歓声には、何物も及ばない。今でもその夢を見る」と。
・・・歓声と拍手。“舞台欲”というのは、それほどの魔力を持っているのだろう。
エドはるみ。90年代には舞台で活動する、“出川哲郎をクンづけで呼ぶ女優”だった。PCインストラクターとマナー講師を経て、2000年になってからお笑いに転じて舞台へ。現在に至る。
正装に身を包んだ、整った風貌。
明快な話し振り。
美しい姿勢とマナー。
その一方、
お世辞にも上手いとはいえない奇妙なダンス
古臭いBGM(Nack の “My Sharona”)
韻を踏んだ自虐的なギャグ
・・・これらを40歳を過ぎた女性が熱演するという芸風だ。
最後に“good”と前向きに受け入れているところがミソでもある。
おそらく。このネタ(というより本人)が、
20代前半で美人だったらウケなかったかもしれない。
プロポーションがバツグンで、ダンスが上手くても嫌味になるに違いない。
酒井順子の「負け犬」という言葉が流行り、コウダクミが、「羊水が腐る」発言で
バッシングを受ける難しい時代。
絶妙なバランス感覚が、この微妙な芸を生んだのに違いない。
その一方、ある女子アナの悲劇もある。良家の生まれで名門大学を出、超一流放送局に入って、いくら食べても太らなくてモデル顔負けの体質の美人アナウンサー。そこまで出来すぎだと、フリーランスになってあまり売れなくなったのは、ある意味で仕方のなかったことかもしれない。
すべてに勝つことができない。世の中というのは、無意識のうちにバランス感覚をとるワケだし。
パーフェクトなものはつまらなく、ちょっと壊れたところに味が出るってこともある。
エドはるみの流行は、そんな“バランス感覚”の集大成ともいえよう。
多くのメディアが並存する現在。その中でテレビの特化している機能は、IAS(※)という伝達効果だ。挨拶するとか、名前だけ知らせる機能。動画機能も包括したインターネットに、テレビジョンが勝てる要素は、もはやそこしか残っていない。
テツandトモ、ゲッツ板谷、ヒロシ、小島よしお・・・。延々と続く一発芸の流行が、インターネットの登場と同時に登場しているところが、それを証明してるのではいないか。
そしておそらく、「IAS対応ギャグだけでは、芸人として長くは持たない」ことは、おそらく芸人のほうでも了承済みなのであろう。
しかし。
他の一発芸人違って、エドはるみには、女優としてのキャリアがある。
「(一度名を売れば)飽きられても女優でイケる」。そこら辺のバランス感覚もキチンととっているに違いない。
今後は、この手の
「本来何かの実力を持ち、ブレイクのキッカケを掴むだけ」というタイプの、“本業告知型芸人”が増えるのではないか。IAS対応型芸人というか・・。
小島が、「そんなの関係ねえ」と開き直り、エドは、「Good」と、破れかぶれな前向きさ。
人類滅亡を100%否定できない現代の漠然とした空気感。男はヤケクソ、女は開き直りで対処するといった男女差を表してるいるようで、面白い。
エドはるみ。
エドは、“エド・サリバン”からとったという。
てっきり、エド山口の妹で、都はるみの親戚あたりかなと思ったのだが・・。
注)※IAS⇒「インパクトだけ 与えて サヨナラ(Impact_dake Ataete Sayonara)”の略。⇒当然、アホ筆者の造語 笑」」



