
■再試合、柔は剛を制せたか■
地味だったハンドボールというスポーツを、“中東の笛”が一転させてしまった。
“アラジンの魔法のランプ”ではなく、“中東の魔法の笛”ってところか。
日本のバンドボールのエース、宮崎大輔。
200センチ近い選手がアタリマエの欧米の競技場。
小柄な彼が登場すると、最初は場内から失笑すら漏れたという。
だがしかし、そのプレイを一度見ると驚愕し、次に賞賛が沸くという。
跳躍力。垂直とび95センチの跳躍力がそれを可能にした。
自分の長所と弱点の、早期発見と工夫が功を奏したわけだ。
日本では“柔よく剛を制す”という言葉が好まれる。
元々日本という国自体が、“柔よく剛を制す”を地できた国だ。
極東の小国。資源もなく居住区域も極端に狭い。あるのは小柄な体と好奇心、そしてガッツ。
自分の長所と弱点の、早期発見と工夫、それだけでやってきた歴史ゆえか。
最近、筆者の地元の弱小スーパーの閉店が相次いでいる。
駅前にある新鮮安売りを持ち味とした店で、つい最近まで隆盛を誇りファンも多かった。
しかし、電鉄系巨大スーパーのリニューアルと安売り展開の途端に閑古鳥、あっという間に閉店へ。他の地域でも似たパターンが続出している。
「所詮、大資本には勝てないのか」といった、格差社会の閉塞感を感じる展開を見た。
しかし。
逆のパターンもある。これまた地元のラーメン屋さん。
店の外観はボロボロ。早朝、深夜の営業は一切なし、値段も別に安くはない。
すぐ隣に、某大手カレーチェーン店、牛丼チェーン店が進出している。しかし昼には、シッカリお客が並び、堂々と太刀打ちしている。
これこそ、“柔よく剛を制す”を地でいっている商売だ。
昔は日本にも、大規模店舗規制法があった。しかし、それがどんどん緩和され、地元の自然発生的な店舗がものすごい勢いで消滅しつつある。マクドナルドの100円バーガー戦略が、近隣のパン屋さんを絶滅
させてしまった。コンビニの酒類販売が、酒屋さんを壊滅させた。
都心の地元の商店街はいつのまにか、コンビニとチェーン店とFFだらけになってしまった。この手の街は、効率性があり整備され、一見整っているが、活気がない。地元への愛着がなく、ビジネスオンリーの匂いが、観葉植物のような街にさせるのだろう。
ときどき、多摩川を渡った街の商店街に出かけることがある。ここにはまだ、コンビニやチェーン店の間に、昔ながらのお店が点在している。そういう街にはまだ活気がある。地元でない人間ですら、訊ねていっても、ホッとできるぬくもりがある。
柔よく剛を制すには、自分の長所と弱点の、早期発見と工夫、そして地道な努力。それしかない。
小柄というハンデを武器にした、宮崎大輔の歩んだ道そのものだ。
しかし。心配な点もある。
あの驚異的な跳躍力は、ダメージとなって膝を最初に襲いかかるだろう。
再起不能になってからでは手遅れだ。この対処でも早期発見と工夫が必要。
そのまんま放置にしておくと大変なことになる。
・・・“そのまんま”だけに、「宮崎をどげんかせんといかん」かも。



