ナポレオンの読書好きは国民的に知られていた。とくにゲーテの「若きウェルテルの悩み」は例外で生涯に7度も繰り返して読んでいる。
読書に必要はものは何か。孤独である。
一人きりにならないと一秒足りとも読書はできない。読書をすればするほど孤独になる。
読書の中で古今東西の天才と友人になるから、家族や職場の周りの平凡人と話していても、なんとなく面白くない。昼食も夕食もひとりで食べ、頭のなかの思考を楽しんでいるのだ。
孤独が読書を呼び、読書がさらに孤独にする。その循環のなかで、知識が累積されてゆく。
だからといって見た目が他人と変わるわけではない。しかし、こういった人間が、何かの拍子にふと内面を漏らしてしまうと周囲はビックリする。幼少時のナポレオンは、クラスで雪合戦をした際、びっくりするよな見事さで指揮と陣地を構築して快勝した。それまで小柄で大人しく目立たない生徒が、一気に名指揮官になったのだ。
もちろん生来の指揮官としての才能があったともいえる。しかし、他の少年たちが、スポーツをしたりじゃれあいをしているときにもナポレオンは、英雄伝などを読み、無意識的に戦術の訓練をしていたともいえないだろうか。
しかし。
ただ知識を集めただけで天才になれるほど甘くはない。
多くの天才途上の少年は確かに知識量は豊富である。素質があれば、それらをアレンジして、変わったアイディアをも作れるだろう。だがそれだけではダメだ。「自分自身」にならなくてはならない。“大脳新皮質”で考えたことではなく、もっと本能に近い部分、”脳幹”から湧き出る何かを形にしなければならないのだ。
ナポレオンは、どういう経路で「自分自身」になったのか。
〜以下続く〜

■読書好きで有名だった英雄■
天才と呼ばれるひとびとは、生まれつき何か不思議な能力をあたえられてるといった印象がある。真実のほどはどうなのであろう。
例えばナポレオン・ボナパルド。
フランス革命後のフランスをまとめあげ帝政を敷き、全ヨーロッパの侵略と敗北の人生を送った軍事の天才。彼は非常な読書好きで有名である。
今も昔の最強の勉強法は本を読むことに尽きるといわれている。
出来るだけ多くの読書をできるかぎり広範囲の分野に渡って読み、多くの文章を書く。ものを考える最善の方法はものを書くことであり、本を読んで、読書ノートを記すことこそ、まさに最良の勉強法であるとといえる。
多くの天才たちは、この軌跡をだとっている。
膨大な知識を蓄えて、それを自分の頭でまとめあげ、未知の現象に対応しつつ、今まで気づかれなかった真理を発見する、といった道程をたどる。
ナポレオンもその一人であった。
子供時代のナポレオンは、大変に大人しい性格だった。毎日読書に明け暮れ、プルタルコスの『英雄伝』に傾倒し、英雄への憧れを胸に抱きながら生活していた。陸軍幼年学校を経てパリの陸軍士官学校に入学。この間ずっと、数学の成績はに抜群だった。卒業までには通常、在籍期間が4年必要とされているところ、わずか11ヶ月で修了。非常な成績優秀者だった。このスピード卒業は開校以来の最短記録であった。
To be contenue



